痔瘻 初期

痔瘻の初期症状とは

痔ろうになると大変です。でも一夜にしてなるものではありません。

 

腸の中には便があり、その中にはいろいろな細菌が含まれています。

 

なかでも大腸菌は最も一般的なもので、腸管内に存在する限り人畜無害なのですが、
何かの都合でそれが狭い肛門腺管の中に封じ込められますと、その細菌に対する抵抗力のない人では、
内・外括約筋の間で膿になり、筋肉の隙間の組織抵抗の弱い部分に広がっていきます。

 

この時、強い痛みと発熱を伴い、肛門の奥の方に不快感が持続するようになりますが、
この状態を肛門周囲膿瘍といい、痔ろうの初期段階です。

 

肛門小かから入った細菌が肛門腺管の中で増殖し膿瘍化するのが痔ろうのはじまりです。

 

それがどこに向かって破れるかによって、痔ろうのタイプが異なります。

 

肛門近くが化膿して膿がでるようになり、いつまでも治らない時は、
まず痔ろうを考えなくてはなりませんが、膿がたまると熱が出たり、痛みが増してきたりします。

 

膿がたまってもがまんし続けていると、膿のたまりは抵抗の一番弱い方向へ自然に破れて排出され、痛みが急にとれます。

そして排膿した道すじがトンネルになって残りますが、それを痔ろうと呼んでいます。

 

何回もこのようなことを繰り返していると痔ろうはだんだん複雑なものになり、手術も難しくなります。

 

痔ろうという診断がついたら、遅かれ早かれ、手術を覚悟しなければならないでしょう。

 

手術といってもいろいろな方法がありますので、どのように、いつ手術するかが大切な問題です。

 

従来、わが国では、痔ろうのろう管を大きく開いてオープンカットする手術が一般的でしたが、最近は、肛門の括約筋をなるべく
痛めないで、手術後の肛門に大きな変形や瘢痕を残さない手術法が普及しています。しかも、急性期には切開、排膿だけしておいて、
後は、本人の都合のよい時に根治手術をするというやり方が多くなってきました。